iPhoneのロック解除方法として定着している指紋認証(Touch ID)と顔認証(Face ID)。どちらもセキュリティと利便性を両立した優れた技術ですが、「結局どちらが使いやすいの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、iPhoneの指紋認証と顔認証の技術的な違いや、日常シーンでの使い勝手、セキュリティ面での特徴を徹底比較します。それぞれのメリット・デメリットを理解することで、自分のライフスタイルに合ったiPhoneを選ぶ参考にしてください。中古iPhoneの購入を検討している方にとっても、認証方式は重要な選択ポイントです。
iPhoneの指紋認証と顔認証の基本を理解しよう
まずは、iPhoneの指紋認証と顔認証の基本的な仕組みと、それぞれの技術が導入された背景を見ていきましょう。
Touch ID(指紋認証)とは?その仕組みと歴史
Touch IDは、2013年にiPhone 5sで初めて搭載された指紋認証システムです。ホームボタンに指を置くだけでロック解除ができるこの機能は、従来のパスコード入力の手間を大幅に削減しました。指紋の表面にある細かな紋様(指紋パターン)を読み取り、事前に登録された指紋データと照合することで本人確認を行います。
その後、iPhone 6以降のモデルでは第2世代のTouch IDが搭載され、認証速度と精度が向上しました。さらに、iPhone SE(第2世代・第3世代)やiPhone 8シリーズなど、ホームボタンが残っているモデルでは現在もTouch IDが採用されています。複数の指を登録できるため、利き手以外の指や家族の指も登録可能です。
Face ID(顔認証)とは?導入された背景と技術
Face IDは、2017年のiPhone Xで初めて導入された顔認証システムです。ホームボタンを廃止し全画面ディスプレイを実現するために開発されたこの技術は、TrueDepthカメラシステムを使用して顔の3Dマップを作成します。赤外線カメラやドットプロジェクタなど複数のセンサーを組み合わせることで、暗闇でも高精度な認証が可能になりました。
Face IDは単なる写真や動画では突破できない高度なセキュリティ技術を備えており、双子であっても誤認識する確率は極めて低いとされています。iPhone X以降のフラッグシップモデル(iPhone 11、12、13、14、15シリーズなど)ではFace IDが標準搭載され、現在のiPhoneにおける主流の認証方式となっています。
指紋認証と顔認証の技術的な違いを比較
次に、指紋認証と顔認証の技術的な仕組みと、認証速度や精度の違いについて詳しく見ていきましょう。
認証の仕組みと使用するセンサーの違い
Touch IDは、静電容量方式のセンサーを使用して指紋の凹凸を読み取ります。指がセンサーに触れると、指紋の谷と山の部分で電気の流れ方が異なることを利用して、固有のパターンを検出します。このデータは暗号化されてiPhone内のセキュアエリア(Secure Enclave)に保存され、外部からのアクセスは不可能です。
一方、Face IDはTrueDepthカメラシステムを使用します。このシステムは、赤外線カメラ、ドットプロジェクタ、フラッド照射器などで構成され、顔に3万個以上の見えないドットを投射して立体的な顔のマップを作成します。この3Dデータを元に認証を行うため、写真や動画、マスクなどでは突破できない仕組みになっています。
認証速度と精度はどちらが優れている?
認証速度については、どちらも非常に高速で、実用上の差はほとんどありません。Touch IDは指を置いた瞬間に認証が完了し、Face IDも顔を向けた瞬間にロック解除されます。ただし、条件によって認証のしやすさは変わります。
精度の面では、Face IDの誤認識率は約100万分の1とされており、Touch IDの5万分の1よりも高いセキュリティレベルを実現しています。ただし、指紋認証は指の状態(湿り気や乾燥、傷など)に左右され、顔認証は顔の角度や遮蔽物(マスクやサングラス)の影響を受けやすいという特徴があります。
使いやすさで選ぶ|日常シーンでの比較
実際の使用シーンでは、どちらの認証方式が使いやすいのでしょうか。具体的な状況別に比較してみましょう。
片手操作や手袋着用時の使い勝手
Touch IDは片手での操作に優れています。iPhoneを持ち上げてホームボタンに親指を置くだけでロック解除できるため、電車内や歩きながらの操作でもスムーズです。ホームボタンの位置が決まっているため、画面を見なくても認証できる点も便利です。
ただし、冬場に手袋をしている場合や、手が濡れている状態ではTouch IDは反応しません。料理中や雨の日など、手の状態が認証に影響するシーンでは不便を感じることがあります。一方、Face IDは手袋をしていても問題なく認証できるため、寒い季節には有利です。
マスク着用時や暗い場所での認識精度
Face IDの大きな課題として挙げられていたのが、マスク着用時の認証問題です。コロナ禍以降、マスク着用が日常化したことで、Face ID搭載のiPhoneユーザーは不便を感じる場面が増えました。しかし、iOS 15.4以降では「マスク着用時のFace ID」機能が追加され、マスクをしたままでも認証できるように改善されました(iPhone 12以降のモデルで利用可能)。
暗い場所での認証については、Face IDが圧倒的に有利です。赤外線カメラを使用しているため、完全な暗闇でも正確に認証できます。Touch IDは指とセンサーの接触が必要なため、暗闇でも問題なく使えますが、ホームボタンの位置を探す必要がある点では若干の手間があります。
セキュリティ面から見た指紋認証と顔認証
セキュリティは認証技術において最も重要な要素の一つです。それぞれの安全性と注意点を確認しましょう。
それぞれの認証技術の安全性
Touch IDとFace IDは、どちらもAppleの高度なセキュリティ技術によって保護されています。指紋データや顔データは暗号化され、iPhoneのSecure Enclave(セキュア領域)という特別なチップ内に保存されます。このデータはAppleのサーバーに送信されることはなく、アプリやiOSからもアクセスできません。
統計的な安全性では、Face IDの誤認識率が約100万分の1であるのに対し、Touch IDは約5万分の1とされており、Face IDの方がより高いセキュリティレベルを実現しています。ただし、どちらもパスコードと組み合わせることで、さらに強固なセキュリティを確保できます。
不正アクセスのリスクと対策
Touch IDの場合、睡眠中に他人が無理やり指を使って解除する可能性がゼロではありません。一方、Face IDは目を開けた状態での注視が必要な「注視認識機能」があるため、寝ている間や無意識の状態での不正解除を防げます。
ただし、双子や家族など顔の特徴が似ている人がいる場合、Face IDで誤認識されるリスクはTouch IDよりも若干高くなります。セキュリティを重視する場合は、パスコードを併用する、再起動後は必ずパスコード入力を求める設定にするなどの対策が有効です。
指紋認証と顔認証のメリット・デメリット一覧
ここまでの比較を踏まえて、それぞれの認証方式の長所と短所をまとめます。
Touch ID(指紋認証)の長所と短所
Touch IDのメリット:
- 片手でスムーズにロック解除できる
- ホームボタンの位置が固定されているため、画面を見なくても操作可能
- マスク着用時でも問題なく認証できる
- 指を複数登録できるため、家族との共有も可能
- 机に置いたまま認証できる
Touch IDのデメリット:
- 手が濡れている、乾燥している、手袋をしているときは認証できない
- 指に傷や絆創膏があると認識精度が低下する
- ホームボタンのあるモデルに限定される(デザイン的に古い印象)
- Face IDと比較するとセキュリティレベルがやや低い
Face ID(顔認証)の長所と短所
Face IDのメリット:
- 顔を向けるだけで自動的にロック解除される
- 手が濡れていても、手袋をしていても問題なく認証可能
- 暗闇でも高精度で認証できる
- セキュリティレベルが非常に高い(誤認識率約100万分の1)
- 全画面ディスプレイの恩恵を受けられる
Face IDのデメリット:
- マスク着用時は制限がある(iOS 15.4以降で改善)
- サングラスや帽子で顔が隠れると認証しにくい
- 机に置いた状態では認証しづらい(持ち上げて顔を向ける必要がある)
- 双子や家族で顔が似ている場合、誤認識のリスクがある
あなたに合うのはどっち?認証方式の選び方
指紋認証と顔認証、どちらを選ぶべきかはライフスタイルや使い方によって異なります。
ライフスタイル別のおすすめ認証方式
Touch IDがおすすめな人:
- 片手操作が多い方(通勤・通学中の電車内など)
- マスクを常時着用する環境で働いている方
- 机に置いたまま操作することが多い方
- ホームボタンのある使い慣れたデザインを好む方
Face IDがおすすめな人:
- 手袋をする機会が多い方(寒冷地や作業が多い方)
- 最新のデザインとディスプレイの大きさを重視する方
- 両手が塞がっていることが多い方(買い物袋や荷物を持つ機会が多い)
- より高いセキュリティレベルを求める方
実際のところ、どちらの認証方式にも一長一短があるため、自分の使用シーンを振り返って最も頻繁に使う状況を想定することが大切です。
搭載モデルで選ぶ中古iPhoneの選び方
中古iPhoneを購入する際は、認証方式も重要な選択ポイントになります。Touch ID搭載モデルとしては、iPhone SE(第2世代・第3世代)、iPhone 8/8 Plusなどがあり、比較的手頃な価格で入手できます。コンパクトで片手操作しやすいモデルを探している方には最適です。
Face ID搭載モデルは、iPhone X以降のほぼすべてのモデル(iPhone 11、12、13、14、15シリーズ)で採用されています。大画面で最新機能を楽しみたい方、カメラ性能を重視する方にはFace IDモデルがおすすめです。予算や求める機能に応じて、ハピネスネットの豊富な在庫から自分に合った中古iPhoneを選んでみてください。

まとめ|自分に最適なiPhoneを見つけよう
iPhoneの指紋認証(Touch ID)と顔認証(Face ID)は、それぞれ異なる強みを持つ優れた認証技術です。Touch IDは片手操作に優れ、マスク着用時でも確実に認証できる一方、Face IDは手の状態に左右されず、高いセキュリティレベルを提供します。
どちらを選ぶべきかは、あなたの日常生活での使い方によって決まります。通勤時の片手操作が多いならTouch ID、手袋をする機会が多いならFace IDというように、ライフスタイルに合わせて選択しましょう。
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自分にぴったりの認証方式が搭載されたiPhoneを見つけて、快適なスマホライフを送りましょう。ご不明な点があれば、お気軽にハピネスネットまでお問い合わせください。
